予約システムの導入は、電話を減らしはしても、なくしはしません。高齢のお客様がオンライン予約に移らないためです。「電話かシステムか」ではなく「鳴り続ける電話に誰が出るか」が本当の問いになります。
スタッフ5〜10名ほどの整体院・クリニック・飲食店で、繰り返し起きる困りごとがあります。営業中に電話が鳴りやまず、施術や診療の合間に対応しきれず、気づいたときには相手が切っている。予約システムを入れれば解決すると考えて検討を始める方が多いのですが、実際に導入した先で残る問題があります。
問題は電話そのものではなく、片手間になっていること
この課題を分析した記事に、要点をよく言い当てた一文があります。
課題の本質は、電話という手段そのものではなく、「限られた人数で、施術や診療という主業務と並行して、予約受付という別業務をこなす」という構造にある。
つまり、電話が悪いのではありません。主業務をしながら受付という別の仕事を同時にこなすことに無理があります。だから電話をオンラインに置き換えても、置き換わらなかった分の電話は残り、その分の無理も残ります。
四つの選択肢を、費用と残る問題で並べる
| 選択肢 | 費用の形 | 解決すること | 残ること |
|---|---|---|---|
| 大手予約サイトに掲載 | 掲載手数料+送客手数料(予約ごと) | 新規の集客と、オンライン予約の受け皿 | リピーターが増えるほど手数料が積み上がる。電話は残る |
| 自社の予約システム | 初期十万円台〜百万円台+移行の手間 | 手数料の負担、自社の予約導線 | 電話予約との二重管理。移行期のダブルブッキング |
| 受付スタッフを増やす | 人件費(継続) | ピーク以外の時間帯の対応 | 突発的な集中には対応しきれない。休む日は元に戻る |
| 電話に出る仕組みを置く | 利用量に応じた費用 | 鳴っている電話そのもの | 判断が要る用件は人に渡る。オンライン予約の導線は別に必要 |
上の三つに共通しているのは、お客様を電話から移そうとしている点です。移れる方は移ります。移れない方は残ります。
電話が残り続ける理由
高齢のお客様はオンライン予約に不慣れなことが多く、電話予約を並行して残す運用が現実的とされます。並行運用は移行期の一時的な措置ではなく、顧客層によっては終わらない状態になります。
導入の解説記事でも、電話予約の受付は「当面残す」「段階的にオンライン比率を高める」と書かれます。ここで問題になるのは、その「当面」に終わりが設定できないことです。顧客層が変わらないかぎり、電話は一定の割合で鳴り続けます。
そして並行運用が続くほど、別の問題が育ちます。予約情報が電話用の台帳とシステムの二箇所に分かれ、同じ枠に二重で予約が入る。電話で聞き取ってからシステムに入力する二度手間が常態化する。どちらも、電話が残っていることから生まれています。
問いの立て方を変える
「電話をやめられるか」ではなく「鳴り続ける電話に誰が出るか」を先に決めると、選択肢の見え方が変わります。オンライン予約は、電話を減らすためではなく、オンラインで予約したい方のために入れる。残る電話には、主業務の手を止めない出方を用意する。この二つは競合せず、両方いります。
Nankaが受付エージェントを作っているのは、この二つ目のためです。電話に出て、用件を聞き、空いている時間を調べて予約を取り、台帳に入れる。判断が必要なときは人につなぐ。オンライン予約の代わりではなく、それでも鳴る電話のためのものです。
よくある質問
予約システムを入れれば電話は減りますか?
減ります。ただしゼロにはなりません。オンライン予約に移れるお客様は移りますが、電話でしか予約しない層は残ります。特に高齢のお客様が多い業種では、電話予約を並行して残す運用が現実的とされています。
大手予約サイトと自社システム、どちらがいいですか?
新規集客を重視するなら予約サイト、手数料を抑えて自社の予約導線を持ちたいなら自社システムが候補になります。両方を組み合わせる運用も多く見られます。どちらを選んでも、電話予約の扱いは別に決める必要があります。
自社で予約システムを作るといくらかかりますか?
機能の範囲によって、一般に十万円台から百万円台程度まで幅があります。既存の顧客管理や会計システムとの連携を求めるほど上がる傾向があります。複数社から見積もりを取り、機能ごとの内訳が明確かを確認するのが安全です。
電話予約とオンライン予約を並行すると何が起きますか?
予約情報が二箇所に分散し、同じ枠に二重で予約が入ることがあります。電話で聞き取ってからシステムに入力する二度手間も起きます。並行期間を短く区切り、予約情報を早く一本化する運用ルールを決めておくことが有効とされています。
AIが電話に出ると、対応の質は落ちませんか?
答えられない質問に無理に答えてしまうことが、自動応答でいちばん困る失敗です。Nankaの受付エージェントは判断できないところで止めて人に渡し、そこまでのやりとりを記録として残す作りにしています。本システムは現在開発を進めており、近いうちにお使いいただけるようになります。
参照した記事
- 電話がパンクした店舗・医院が予約システムを導入するまで — よくある課題と解決パターン(株式会社オブライト、2026年7月17日)
課題の構造、費用感、並行運用のつまずきについて参照しました。
- 電話対応の予約取りこぼしが利益を削る本当の理由(株式会社エグゼクティブマーケティングジャパン、2026年3月8日)
取りこぼしを構造問題として扱う視点を参照しました。
受付エージェントは、電話に出て予約を取るところまですでに動いています。記録を見る管理画面も仕上げの段階で、近いうちにお使いいただけるようになります。電話まわりで困っていることがあれば、ぜひ聞かせてください。

